今回は、漫画「ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います」の解説・考察をやっていきます。
この作品は、香坂マト先生による日本のライトノベル作品です。略称は「ギルます」。
原作小説が2021年3月に刊行、漫画(コミカライズ)は、月刊コミック電撃大王にて、2021年8月号から連載開始。
あらすじ
内勤で安全安心、しかも公務員のように安定した収入を生涯得られる職業を夢見て「ギルドの受付嬢」になったアリナ。
しかし、現実は理想とはかけ離れた残業の日々でした。その原因は、ダンジョンの攻略が滞っていること。
階層ボスが倒されず居続けると、魔物はあふれ、冒険者はいつまでたっても攻略を続けるという悪循環。
限界を迎えたアリナは、銀の大槌(ウォーハンマー)を手に、自らボス討伐に向かうことに――。
実は彼女こそ、ダンジョンに現れては単身ボスを倒していくと噂される正体不明の凄腕冒険者「処刑人」だったのです。
しかし、それは絶対に秘密にしなければならない理由があるのです。
「受付嬢」という自らの役職を守るため、仲間を守るため、アンリは今日もダンジョン攻略に出かけます。
登場人物
「ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います」の主な登場人物を解説します。
- アリナ・クローバー (CV: 高橋李依)
- 本作の主人公。大都市イフールの冒険者ギルドで働く受付嬢。
- 安定した仕事と定時退社を強く望む、ごく普通の女の子に見えますが、実は凄腕の冒険者「処刑人」という裏の顔を持っています。
- 銀の大槌(ウォーハンマー)を武器に、ダンジョンのボスを単独で討伐するほどの圧倒的な戦闘能力を誇ります。
- 受付嬢の仕事は副業禁止のため、「処刑人」であることは周囲には絶対に秘密にしています。この二つの顔を使い分けるのが物語の大きなポイント。
- ジェイド・スクレイド (CV: 熊谷健太郎)
- 冒険者ギルド最強と名高いパーティー「白銀の剣」のリーダー。
- 卓越した実力とリーダーシップを持ち、周囲からの信頼も厚い人物。
- ルルリ・アシュフォード (CV: 古賀葵)
- 「白銀の剣」の回復役(ヒーラー)。パーティーには欠かせない存在。
- ロウ・ロズブレンダ (CV: 安田陸矢)
- 「白銀の剣」の後衛アタッカー。黒魔道士。
- ライラ (CV: 芹澤優)
- アリナの後輩で新人受付嬢。「処刑人」推しです。
その他の登場人物
上記の主要人物以外にも、ギルドの職員や他の冒険者など、個性豊かなキャラクターたちが物語を彩ります。
- グレン・ガリア: 冒険者ギルドを束ねるギルドマスター。強力なな超域スキルが使えます。
- ガンズ: 「白銀の剣」の元前衛アタッカー。
- フィリ: ギルドマスター、グレンの秘書。
- ジェシカ: 情報屋ギルドのギルドマスター。
おすすめ作品?感想
めちゃくちゃ面白いです。
主人公最強系ファンタジー作品ですが、仕事が、剣士やヒーラーといった、いわゆるパーティ職ではなく、単なる受付嬢というところが、面白い。
そして、物語がある程度すすむと、敵もちゃんと強いのがうれしい。
もう一点、こういう主人公最強系だと、いつのまにかハーレム状態になっていて、かつ周りからの好意に鈍感。みたいな、「絶対ありえないだろ!」ってことが多いのですが、ちゃんとラブコメしてるのも、推しポイントです。
相手役のジェイドも、力では主人公には及ばない(とはいえ冒険者ギルドではトップクラス)のですが、人として魅力のある人物で、嫌味がありません。
登場人物の深堀りも、適宜挿入されていて、読者が「置いてけぼり」にされることがないので、感情移入しやすいです。
完結はしていません、現在5巻まで発売されています。
面白すぎで全巻イッキ読みしてしまいました!今後が楽しみな作品。
祝!アニメ化!
2025年1月冬アニメとして、登場します。
原作が面白いだけに、期待値がバク上がりです。
■スタッフ
原作:香坂マト(電撃文庫刊)
原作イラスト:がおう
監督:長澤 剛
制作:CloverWorks
アニメーション制作協力:作楽クリエイト
■主要キャスト
アリナ・クローバー:高橋李依
ジェイド・スクレイド:熊谷健太郎
制作が、SPY×FAMILY 1-1、ぼっち・ざ・ろっく!のCloverWorks。主人公「アリナ」役の声優は、リゼロのエミリアやこのすば!のめぐみん役の高橋李依。
これだけみても、力の入っている作品ということが伺えます。
全巻ストーリー解説:小ネタバレ
1巻
主人公アリナ・クローバーが受付嬢として働くギルドの日常と、凄腕冒険者「処刑人」としての二つの顔を持っています。
安定した仕事と定時退社を望み受付嬢になったアリナですが、残業の原因となるダンジョン攻略の遅れが最大の悩み。
その大きな悩みを解決するため、彼女は自らボス討伐に乗り出すのでした。
ある日、トップ冒険者パーティ「白銀の剣」が階層ボスであるドラゴンに苦戦し、撤退を余儀なくされているところに、フードで顔を隠し、外套に身を包んだアリナが、現れます。
アリナは、一撃でドラゴンを粉砕し、姿を消します。
しかし、「白銀の剣」のリーダーであるジェイドに、何故かバレてしまいます。
受付嬢とは、生涯安定した生活が送れる言ってみれば公務員のような職業。ただし、副業禁止!バレたら即アウト。
果たして、受付嬢としてのアリナの運命は?
2巻
本当はバレたらまずい「処刑人」としての顔ですが、ついに冒険者ギルドのギルドマスター「グレン・ガリア」に正体を見破られます。
ガリアは、アリナが負ければ「白銀の剣」への参加、勝てば、ギルドが処刑人から手を引くというルールのもと決闘を申し込みます。
そんな折、新たなダンジョンが見つかったという情報が、ジェイドから伝えられます。
新たなダンジョンができれば、冒険者が受付に押し寄せ、しかもクリアに時間がかかる。つまり残業必須。
ギルドマスターから、ダンジョン攻略してくれれば、受付嬢の待遇改善をするという約束を取り付け、アリナはしぶしぶ「白銀の剣」のメンバーとダンジョン攻略に乗り出しますが…。
3巻
冒頭、アリナの過去が語られ、主人公のバックグラウンドに深みが増してきます。
あわせて、アリナのジェイドに対する心の変化が、面白いです。
ダンジョン内での「白銀の剣」の緊迫した戦闘、「処刑人」に立ちふさがる強敵、などなど戦闘シーンがてんこ盛りで、見ていて飽きません。
4巻
白熱の戦闘シーンとドタバタ恋愛?コメディが最初から面白いです。
主人公より弱いはずのジェイドがかっこいいです。
なんとかダンジョンから帰還するも、1年のうちでもっとも受付嬢の仕事が忙しくなる「百年祭」が待ち受けていました。
とはいえ、百年祭自体に参加したいアリナは、山のような仕事をどうにか片付けようとしていたら、なぜかジェイドと二人で百年祭に参加することに。
「白銀の剣」メンバーであるルルリの過去も徐々に掘り下げられていき、物語が深くなっていきます。
5巻
冒頭、「白銀の剣」ルルリとロウのストーリーが進んでいきます。
ルルリは過去に大きなトラウマを抱えていていますが、ロウが真摯に対応してくれます。
ギルド本部の中枢では、新ダンジョンに現れた「魔神」への対応が話し合われます。
途中、軽いラブコメが発動しますが、瞬時に裏クエストが発動し、大事件が勃発。
「白銀の剣」と「処刑人」の前に新たな魔神が現れて…。
まとめ
「ギルます」は、各巻を通して、アリナが受付嬢と謎の冒険者の二つの顔を使い分けながら、様々な事件や騒動に巻き込まれていく流れのストーリーが展開。
シリアスなストーリーと迫力のアクションシーンに加え、コメディ要素、さらには主人公のラブコメ要素も絡み、読者を飽きさせない展開が魅力的です。
今回の解説が、コミック版「ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います」を楽しむ上で役立てば幸いです。
分冊版の初回無料分があるDMMブックスもおすすめです。
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