『スキップとローファー』は、高橋美咲先生の漫画作品で、現在講談社の月刊「アフタヌーン」で連載中です。
「新しい環境でのスタート」それは誰にとってもワクワクと不安が入り混じる特別な瞬間ですよね。
そんな日常の一コマを鮮やかに描き出すのが、漫画『スキップとローファー』です。
能登の田舎から東京の高校に進学した主人公・岩倉美津未(いわくらみつみ)の視点を通して、友情、恋愛、そして成長を繊細に紡いでいくこの作品は、読む人の心にじんわりと響く優しさとリアリティに満ちています。
心がとてもホッコリするとてもおすすめの漫画です。
あらすじの解説はもちろん、今後の展開についても考察していきます。
ぜひ読んでいってください。
作品概要
- 作者: 高松美咲
- 連載開始: 2018年8月から
- 掲載誌: 講談社の月刊「アフタヌーン」
- ジャンル: 青春・日常・学園ドラマ
- アニメ化①: 2023年4月〜7月に放送。制作会社はP.A.WORKS。
- アニメ化②: 第2期の制作が決定。時期は未定です。制作会社はP.A.WORKSが続投。
読むまで内容は絶対知りたくない!という方はブラウザバック推奨です。
あらすじ

物語の主人公は、石川県の田舎から東京の高校に進学した少女・岩倉美津未(いわくらみつみ)。
優等生で真面目な性格の彼女は、大都会での生活や高校生活に期待と不安を抱きながら上京します。
そんな彼女が個性豊かなクラスメートと出会い、友情や恋愛、自己成長を経験する青春の日々を描いた物語。
「田舎者」である「みつみ」が、友達に助けられながら都会の生活を学んでいきますが、結果的に彼女の純粋さが友人たちを変えていく、心温まるエピソードが綴られています。
主なキャラクター
- 岩倉美津未(いわくらみつみ)
- 主人公。真面目で努力家。将来の目標をしっかり持ちながらも、勉強以外はまったくダメ。
- 初対面でクラスメートとすぐに打ち解けようとする前向きさがありながら、田舎育ち特有の素朴さが魅力。
- 志摩聡介(しまそうすけ)
- 美津未のクラスメートで、学年1の美少年。
- 表向きは自由奔放で明るい性格。
- 過去にトラウマがあり、前を向けず、他人に内面を見せようとしない。
- 何事にも真っ直ぐな美津未に、興味をいだいていく。
- 江頭 ミカ(えがしら ミカ)
- クラスメートで、初めは美津未にライバル意識を持つが、後に友情を深める。
- 過去にコンプレックスを抱えるが、克服しようと日々努力している。
- 村重結月(むらしげゆづき)
- 美津未の親友で、帰国子女。
- かなりの美人であるが、それ故に恋愛が絡むと同性とうまくいかず、中学までは友達がいなかった。
- 久留米 誠(くるめ まこと)
- 美津未の親友で、いわゆる文学系女子。
- 常に孤独で、友達と遊ぶことなどなかったが、美津未を通して、結月とも親友になる。
- 花園 さくら(はなぞの さくら)
- クラスの担任。
- 入学式で美津未にゲロの洗礼を浴びる。
- 岩倉 直樹(いわくら なおき)
- 叔母。
- 東京での美津未の下宿先であり、保護者であり、よき理解者。
- 仕事はスタイリスト。
テーマと魅力
- リアルな青春描写: 都会と田舎の文化的ギャップや、都会生活に戸惑う主人公の姿が等身大に描かれています。
- 人間関係の多様性: 主人公を取り巻くキャラクターそれぞれに個性があり、誰もが共感できる部分があります。
- ユーモアと温かさ: 真剣なテーマを扱いながらも、コミカルなシーンや温かみのある展開が特徴。
とにかく、主人公のみつみちゃんが魅力的。どんな人であっても偏見を持たず声をかけていく。
周りは知らず知らずのうちに、みつみちゃんからプラスの影響を受けていきます。
こんな素敵な人間が嫌われるはずもなく、どんな失敗も微笑ましく思えます。
アニメ第1期後のストーリーはどんな物語?
改めて振り返ると、ほんと第1期は良い区切りでした。いってみれば序章。
第5巻からは、高校生らしいというか、主人公だけでなく周りも、異性を異性として意識しはじめるところから物語が展開していきます。
これまでもそのような描写は、個別にありましたが、5巻からは恋愛のウエイトがかなり大きくなっていきます。
ただし、さすが高松美咲先生というべきなのか、心理描写は深いながらも、どギツイ恋愛展開ではなく、あくまでも爽やか。
また相手や周囲に気づかう主要キャラクターたちの内面が垣間見えるんですが、みんな素敵なんですよねえ。
特にみつみちゃんの、純粋さとポジティブさは、場の雰囲気を一気に変える力を持っています。
これ、男女問わず惚れますよね。
スキップとローファーと能登
作者の高松美咲先生は、第10巻のあとがきで、能登半島地震により、主人公岩倉美津未の実家のモデルとして描いた家が全壊し、祖父母が亡くなったことを公表しました。(※御冥福をお祈りいたします。)
物語の鈴市凧島町は、震度6強を記録した石川県珠洲市がモデル。
その石川県珠洲市を含む能登半島復興支援のための、特設サイトが「スキップとローファーと能登」
上記サイトで、第3巻までを無料公開。
そのうち一話を読むことで、石川県の義援金口座に100円が寄付されます。
読者の支払いは不要ですが、義援金サイトから、直接寄付することも可能です。
特設サイトは、2025年1月22日までの期間限定公開。
高松美咲先生と編集部は、6月までに約2,200万円の寄付をされています。
スキップとローファーに興味のある方は、ぜひご協力を!
全巻紹介

2024年12月現在、「スキップとローファー」は完結しておらず、現在も講談社の月刊「アフタヌーン」で連載中。
コミックは11巻まで発売されています。
1巻〜3巻
ここで解説したいところですが、第1巻から第3巻は、能登半島復興支援のための特設サイト「スキップとローファーと能登」で無料公開されています。
2025年1月22日までとなっています。ぜひ来訪してください。
ここから先は、各巻の解説上、多少のネタバレを含みます。
読むまで内容は絶対知りたくない!という方はブラウザバック推奨です。
4巻

文化祭の話がメインです。
みつみのクラスは演劇、ミュージカルを選択。
劇を通じて、みつみと聡介の間もぐっと近くなります。
志摩くん(聡介)の家族も登場し、より内面が深堀りされています。
生徒会とクラスの出し物を忙しくさばいて、大変そうなみつみ。
アニメ第1期はここまでが描かれています。
5巻
アニメ第1期終了後の話は、5巻からスタート。
1年生秋真っ只中の11月。
みつみも含め、登場人物が恋愛について、より深く考える様になっていきます。
自分の気持ち、相手のこと、ギクシャクしながらも、少しずつ近づいていく人間関係の描写がとても心に響きます。
年末年始の帰省では、叔母である直樹の過去が語られます。
6巻
高校生初めてのバレンタインデー。
手作りチョコに告白、登場人物たちのそれぞれの想いが丁寧に描かれています。
みつみと聡介の距離も大きく縮まっていきます。
物語の後半では、2年生への進級の足音が聴こえてきます。
7巻
2年生に進級したみつみたち。
クラス替えで親友たちが、それぞれ新たな場所で、友達作りに奮闘します。
クラスの新しい友達や、みつみが活動してきた生徒会も、新メンバーが加わり、物語が広がります。
みつみと聡介の関係は新たな局面へ。
8巻
新たなキャラクター、氏家、八坂の深堀りがされて、キャラクターに厚みがでてきます。
ふたりが、みつみに出会うことで、今後どう変わっていくのか、楽しみになる展開。
みつみは、生徒会、恋愛、勉強の三つ巴を、うまく攻略できず悩みます。
みつみと聡介は、「好き」というのはどういう形なのか、自分たちの望ましい関係を模索して、迷走します。
9巻
山田、氏家、新たな恋愛模様が、ストーリーを面白くしていきます。
みつみは、高校生活が半分を過ぎ、今の仲間たちを大事にしたいという想いから、友人たちに実家への旅行を提案。
実家に戻ると、妹「真春」は思春期真っ只中、姉への羨望がこじれてしまいます。
一度は引き返したものの、聡介は、改めて「みつみ」との関係について考え始めます。
10巻
実家への旅行、後編スタート。
前半、叔母「直樹」が活躍。
ミカが、いろいろ吹っ切れて、魅力的な女の子に描かれているのが印象的です。
2年前期生徒会長だった、風上のひととなりが掘り下げられます。
こういうサブのサブ的な扱いのキャラクターの深堀りがあるのも、スキップとローファーの魅力。
あとがきで、能登半島地震について語られています。
また、この第10巻は、能登半島地震応援版があり、購入することで売上の一部が支援金に当てられます。
11巻

聡介は、自分の気持ちがわからず、みつみと氏家の関係性が気になってしまいます。
修学旅行中の、何気ない会話からの見開きの画は、めちゃくちゃエモいのでぜひ見てください。
相変わらず、心がシャットダウンしている八坂に対して、天然みつみがちょっかい出して面白くなっていきます。
聡介とみつみは、お互いを探り合いますが、言葉ではなかなか、うまく噛み合いません。
スキップとローファー12巻はいつ発売される?
現在最新の11巻が2024年12月23日に発売されたので、これまでの発刊状況(9巻、10巻)を考えると7ヶ月〜8ヶ月程度後と予想できます。
2025年7月から8月あたりだと思われます。
ただし、休載などのイレギューラーが発生した場合、もう少し遅くなる可能性もあります。
どちらにしても待ち遠しいですね。
考察

みつみと聡介
今のところ、お互いの探り合いで恋人になれるかどうかはわかりません。
お互い、人として惹かれ合っているので、「好き」という感情はありますが、恋愛になるのか、はたまたこれまで以上の親友になるのか、わかりません。
こまる的には、付き合ってハッピーエンドを迎えて欲しいと思いますが、目指す先も違う二人がどういう選択をするのか目が離せません。
江頭 ミカ
物語が進むにつれ、魅力的な女の子に描かれはじめたミカさん。
ぜひ春が来て欲しい。
同級生の小渕くんが、狙っているのですが、今のところ脈はなさそう。
聡介の親友 向井くんが、ミカさんの魅力に気づきはじめているので、もしかしたら、、、なんて思ってます。
村重結月
獣医を目指して、北海道の大学に進学することを公言している結月さん。
今のところ、彼女の恋愛については描かれていません。
ただ、いわゆる美少女なので、素敵な相手が見つけるのは大学行ってからでも全然大丈夫そう。
もちろん、本人には恋愛のトラウマがあるので、どう吹っ切れていくかのかにも注目したいです。
久留米 誠
誠さんは、文芸部の本多先輩に憧れています(第5巻)。
ただ、誠さんは自分に自信がないため前向きになれません。
本多先輩は、まんざらでもなさそうですが…どうなるんでしょうか!?
何巻で完結する?
完結はまだわかりませんが、11巻の時点で、秋の修学旅行も終わり、2年生編もいよいよ佳境。
1年生編が6巻までだったことを考えると、概ね18巻、19巻くらいで、完結ではないでしょうか。
個人的には、大好きな作品なので、大学生編まで突入してもらっても構わないのですが(笑)
ともあれ、いち読者として少しでも長く続いて欲しいですね。
「ふつうの軽音部」と「スキップとローファー」が似てる?
みつみと「ふつうの軽音部」第1巻の表紙絵、主人公ちひろの容姿が似ていることで話題になることがあります。
しかし、みつみとちひろの性格は全然違うし、ストーリーも全く別物です。
両作品も設定を表にして比較してみました。
作品名 | スキップとローファー | ふつうの軽音部 |
作者名 | 高橋美咲先生 | 原作:クワハリ先生 作画:出内テツオ先生 |
舞台 | つばめ西高校(東京) | 谷九高校(大阪) |
制服 | ブレザー+ネクタイ | ブレザー+リボン |
主人公 | ・田舎育ち ・秀才ポンコツ設定 | 岩倉美津未・歌声にコンプレックス ・陰キャ設定 | 鳩野 ちひろ
部活 | 生徒会(出番少なめ) | 軽音部(出番多め) |
要素 | 青春=日常=恋愛 | 青春=音楽>>>恋愛 |
大きく高校生活という括りで見れば、同じですが、それ以外は全く違います。
何より、ふつうの軽音部は音楽がメインで、スキップとローファーは、人間関係の形成がメインです。
よければ、ふつうの軽音部も見てみてください。
青春ドラマもちろん、彼女たちの選曲するPOPSやロックも、実際の高校生たちが選曲しそうでリアリティがあり、とてもおもしろい作品です。

まとめ

個人的におすすめのハートフル漫画です。
大人が読んでも、同世代の高校生が読んでも、共感できるストーリーです。
この記事を読んで、作品が気になった方は、ぜひ読んでください。
川県珠洲市を含む能登半島復興支援のための、特設サイト「スキップとローファーと能登」もぜひ訪問してください。
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