少年ジャンププラスに掲載中の漫画「ケントゥリア」は、自由を求めて奴隷船に潜り込んだ主人公「ユリアン」が、守るべきもののために、命をかけて戦うダークファンタジー作品です。
作者は暗森透先生です。
2025年1月には第3巻も発売され、物語は、さらに面白くなってきたところです。
アマゾンレビューの評価も1巻2巻ともに星4.8以上を獲得していて、次にくるマンガ大賞2024では、webマンガ部門第7位にもランクインしている、業界内外からの評価の高い漫画です。
まず何よりも、ジャンプ作品にもかかわらず異色なダークファンタジー作品ということで、おのずと目を引く設定になってるのも魅力の一つ。
さらに物語は、ダークな世界観で構成されているとはいえ、主人公を含む登場人物たちの優しさと愛を感じることができるため、読者が嫌な気持ちにならないのも高評価のポイントです。
早速解説していきます。
ストーリーの概要

物語の導入:
物語は、奴隷の少年ユリアンが、自由を求めて奴隷船に密航するところから始まります。彼は幼い頃に母親に売られ、人としての尊厳や愛情を知らずに育ちました。しかし、同じ船に乗っていた妊婦のミラとの出会いをきっかけに、人の温かさを知ることになります。
呪われた海域での出来事:
ユリアンたちが乗る船は、呪われた海域に突入し、そこで大きな試練に遭遇します。この出来事をきっかけに、ユリアンは特別な力を得ることになり、彼の運命は大きく動き出します。まだ謎の多い部分ですが、神のような存在との出会いは物語の根幹の部分でもあります。
預言と運命:
海での一件以来、しばらく平穏な暮らしが続きますが、「預言者」の登場により物語は次の展開へすすみます。
異能とバトル:
「ケントゥリア」の世界には、特別な力「異能」を持つ者たちが存在します。物語では、この異能を駆使した迫力のあるバトルシーンが描かれます。しかし、単なる異能バトル漫画ではなく、登場人物たちの葛藤や人間ドラマが深く描かれているのが魅力。
物語のテーマ:
物語を通して、人間の尊厳、自由、運命などのテーマが描かれています。特に、過酷な状況の中で人々がどのように生き、何を大切にするのかが、物語の重要な軸となっています。
登場人物

本作の主人公。幼少期に母に売られ奴隷として生きていたが、主人を傷付け奴隷船に密航し人生で初めて周囲からの温かみを知る。
その後、海の魔物との契約により、犠牲になったミラの命によって力=100人分の身体能力と命のストックを与えられる。
奴隷船から脱出後、ミラの娘であるディアナを守る為に生きていていく。
アンヴァルが死んだ怒りからか、予言を伝えに来たエルストリをなんの疑いもなく斬りかけるなど、精神的な危うさも見て取れる。
ユリアンを救うために死んだミラの娘。まだ生まれて間もない赤子。
しかし、エルストリの予言により……
6年経過してからはミラによく似た容姿になった、ユリアンを兄と慕っている。
奴隷の女性でユリアンの母。生きていればユリアン位の息子がいたためユリアンに優しい。
海を名乗る怪物からユリアンとわが子を救うため、自らお腹を切ってディアナを取り出し命を落とす。
アンヴァルと共に暮らす少女。漂着したユリアン達を助ける。
戦災孤児で両親を失っていたところを、アンヴァルに保護された。
ティティと共に暮らす兵士。常に鎧を着ている大柄で筋肉質かつ忠義を重んじる女性。
性格は非常にやさしく、情に厚い。
戦争で活躍し近衛兵として出世する道もあったが、ティティの面倒を看るため辺境の任務に就いた。
しかし、ユリアンたちを守るため、ある決断を迫られることになります。
各巻あらすじ解説

この章では、あらすじを各巻ごとに紹介していきます。
ここから先は、解説上、多少のネタバレも含みます。事前情報が知りたくない方は、ブラウザバックして1巻から読むことをおすすめします。
1巻
奴隷の少年ユリアンが、自由を求めて奴隷船に密航。
彼は幼い頃に母親に奴隷として売られ、人としての尊厳や愛情を知らずに育ちましたが、乗船していた妊婦のミラとの出会いをきっかけに、人の温かさを知ることになります。
しかし、乗船した奴隷たちは、船長の策にはめられ次々と命を落としていきます。
そんな中、神のような悪魔のような生命体に、主人公ユリアンは力を与えられ、なんとか危機を脱します。
その後、ミラに託された赤ちゃん「ディアナ」を育てるために奮闘。新たな家族を得たユリアンは、知らない村での生活をはじめることになります。
2巻
平穏な生活をはじめるユリアンとアンヴァル。
しかし、森で人さらいが起こり、何やら不穏な空気が漂いはじめます。
村では捜索隊を結成し調査に当たることになります。
同じ頃、国王に使える預言者は、王の死を予言し、その魔物は森に現れると言い当てます。
その真偽を確かめるため、預言者は村へ直接出向きます。
ユリアンの助けで、なんとか無事に村へ帰ってきた調査隊でしたが、その頃出向いてきた予言者から重大なことを伝えられます。
3巻
予言者エルストリは、未だ赤ちゃんであるディアナが将来国を滅ぼす存在になると予言。
予言者の命(=王の命)によりアンヴァルとユリアンは一騎打ちを繰り広げることになる。
ユリアンそして村人を守りたい気持ちと忠義を貫きたい心の狭間で、なんとか打開策を見つけようと苦悩するアンヴァル。
そこへ、水を操る異能持ち「アルコス」が登場し、最悪な展開へ。
3巻PVはこちら
考察ポイント
まだ3巻が発売されたばかりで、不明な点がかなり多いため、考察ポイントをまとめてみました。
- ユリアンに力を与えた「海」は海の中では絶対的存在。陸では?
- ユリアンに与えられた100人分の命は有限なのか?
- 予言者が恐れるディアナの正体は?
- 森にも「海」のような存在がいるのか?
- 異能持ちアルコスの能力は「水」が与えたものなのか?
- 王の正体は?能力は?
主人公ユリアンの最終目標は、ディアナと優しい世界で過ごすことなのはわかりますが、敵の全貌が見えてきません。
王を倒すことなのか、それとも他に強大な敵が潜在するのか。
今後の展開が楽しみです。
評価ポイントとまとめ

世界観もストーリーも面白い「ケントゥリア」ですが、異能を使いまくって「俺最強!」とならないのが好きなポイント。
たしかに強いんですが、主人公ユリアンが人として、ちゃんと努力するところは、とても共感できます。
また強敵や登場人物のバックグラウンドもしっかり描かれていて、読者がより深く物語にのめり込むことができまます。
未だ明かされていない100年以上国を統治している王の正体や、これから沢山登場するであろう「異能持ち」の人間など、物語は始まったばかりなので、興味はまだまだ尽きません。
この記事を読んで、「ケントゥリア」が気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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