今回は漫画バーサスの紹介です。
1話の冒頭を読んで、「あーいつもの勇者物語か」と思っていのですが、数ページで裏切られという、とんでもない作品でした。
発想が新しすぎて度肝を抜かれました!
漫画『バーサス』は、原作をONE先生、作画をあずま京太郎先生、構成をbose先生が手掛ける作品で、2023年1月号より『月刊少年シリウス』(講談社)にて現在も連載中。
ONE先生といえば、ワンパンマン、モブサイコ100など超有名作品を世に送り出した作者。
そんなONE先生の漫画なら面白くないわけがありません。
早速紹介していきます。
作品の雰囲気は、公式プロモーションビデオがとてもわかりやすいです。
作品紹介

物語は、魔族の侵攻により人類が数百年にわたり支配されている世界が舞台です。
人類は選ばれた47人の勇者を魔王軍に対抗させますが、各勇者が次々と敗北する中、異世界の戦士たちを召喚する計画が進行します。
しかし、召喚された異世界もそれぞれ独自の天敵を抱えており、13の世界が融合したことで、天敵同士の戦いが目まぐるしく繰り広げられる展開が面白さを引き立てています。
この作品のキーワードは「天敵」です。
その天敵との圧倒的な力の差をどう埋めるのかが、大きな鍵。
その答えを導き出すための主人公たちのぶっ飛んだ思考が面白いです。
異世界好きな方にはぜひ読んでもらいたい作品です。
漫画バーサスは「マガポケ」で読めます。公式ページはこちらです。
読むまで内容は絶対知りたくない!という方はブラウザバック推奨です。

登場人物

ハロゥ
11番目の勇者であり、主人公。
第11魔王ジャチの討伐が使命で、冒険を始めたが、対峙したときの圧倒的な力の差に敗退。
同時に、左手も失う。まだ打倒「魔王」の心は折れていない。
パネパネ
第11勇者ハロゥの補助妖精。話の語尾にかならず「パネ」を付ける。
臆病だが、常にハロゥを気にかけている。
ゼイビィ
魔勢界の魔導士隊・北方第7班班長であり、ハロゥの兄。
13個の世界から天敵を呼び出す作戦は、彼の発案。
アリオ
ハロゥの友人であり第19勇者。
一時は、第19魔王との戦いで消息不明となったものの、戦いから生還し、ハロゥたちの前に現れる。
美形であり、かなりの女性好き。
得意技はゴールデンストーム。
13の異世界から召喚した天敵たち

- 魔勢界(ませいかい):天敵は魔族。大魔王と47人の魔王が人類を支配しています。
ハロゥたちの世界で、47人の魔王が総ている。
第11魔王ジャチになすすべもなくやられた。 - 機律界(きりつかい):天敵はロボット。高度なAIを持つ機械生命体が人類を脅かしています。
ロボットたちが人間を支配する未来異世界。
ハロゥが最初に出会う異世界の天敵たち。おなじく転移してきた異世界人に助けられる。 - 寄生界(きせいかい):天敵はパラサイト。人間に寄生し、肉体を乗っ取る粘菌状の生命体です。
- 巨人界(きょじんかい):天敵は巨人族。巨大な体躯と強靭な肉体を持つ種族です。
巨人の住まう世界。人間は遊び道具としか見られていない。 - 大凶界(だいきょうかい):天敵は大怪獣。体長500メートルにも及ぶ巨大な怪獣が存在します。
圧倒的に巨大な存在、大怪獣が住んでいる。初登場では宇宙人のUFOを粉砕した。 - 天鬼界(てんきかい):天敵は宇宙人。外宇宙から襲来した高度な知性体です。
未知の科学力で地球を支配しようとしている。 - 暴緑界(ぼうりょくかい):天敵は大自然。凶暴化した動植物が人類に脅威を与えています。
- 新虐界(しんぎゃくかい):天敵は新人類。身体能力と知性が進化した人類の変異種です。
- 怒神界(どしんかい):天敵は神。人々の信仰によって顕現した存在です。
- 呪滅界(じゅめつかい):天敵は呪い。黒い泥のような形状を持ち、生物や惑星そのものにも影響を及ぼします。
- 遊獄界(ゆうごくかい):天敵はゲーム。詳細は不明ですが、ゲームに関連する脅威が存在します。
- 無法界(むほうかい):天敵は無法者。文明とモラルが崩壊した世界で、無法者たちが人類を脅かしています。
- 大樹界(たいじゅかい):天敵は世界樹。巨大な樹木で、星の生命を吸い上げる存在です。
バーサスは、この13の異世界の天敵同士が戦うバトルロワイヤル。
いかにして、主人公たちが天敵同士を戦わせるかが重要なポイントであり、面白さが詰まっています。
ハロゥたちの魔勢界(ませいかい)が起点となりますが、どの天敵も強力で、対峙するたびに、「どっちが強い?」という感覚と想像がページを捲(めく)らせてくれます。
まだ、登場していない異世界も多いので、今後の展開が楽しみです。
あらすじ

魔族の侵攻により人類が数百年にわたり支配されている世界。
その圧倒的力をもつ47体の魔王の討伐に47人の勇者が立ち上がります。
結局どの勇者も惨敗してしまい、ハロゥも第11魔王ジャチに敗れて、片腕を失います。
天敵に勝てないことを痛感した人類は13もの異世界を召喚し、敵同士を相打ちさせて倒すという、とんでも発案を実行します。
一度は敗れた第19勇者アリオですが、再び立ち上がり巨人族を新人類にぶつけて相手を倒す一大作戦のメンバーとなります。
作戦は成功しますが、アリオは敵地に幽閉されてしまいます。
それを知ったハロゥは、助けに行くべきか苦悩しますが、そんなとき、第11魔王軍の幹部キヴァが現れ、戦闘することに。
そこに現れたのが圧倒的な能力を持つ宇宙人たち、さらに大怪獣ダイコクザンが現れ、世界はさらに混沌としていく。
4巻へ続く…
感想

破天荒な漫画
とにかく「破天荒」で独特な漫画です。
第1話冒頭で、「ああ、なるほど異世界で勇者が魔王を倒す物語か」と思ったころが懐かしいです。
主人公たちよりも、登場する天敵たちが異常なほど強力なんです。
つねに、逃走するか、対話して引き付けるか、無謀に飛び込んでいくのかを選択する状況です。
さらに、主人公たちが逆立ちしても勝てない天敵に対抗するために、同格の天敵がいる13もの異世界を呼び出してしまうところは、驚きでした。
弱い勇者
勇者が弱すぎる物語です。
捕まると幽閉されるかすぐ消されてしまいます。
主人公なんて、最初の魔王戦で、仲間をすべて失い、しかも左手まで失ってしまいます。
片腕の勇者で魔王に勝てない主人公って、なんだか頼りなさそうですが、ハロゥの立ち向かう勇気が、「やっぱりこの人は勇者なんだな」と妙に納得させられてしまいます。
13異世界の天敵たち
13の異世界からやってきた天敵たちはどれも強力で個性的。
強すぎて厄介なんですが、読者的にはどの天敵が最後まで残るんだろう?なんて楽しく考えてしまいます。
宇宙人と大怪獣と魔王が戦ったらどうなるかなんて、面白くなるに決まってます。
そして、不謹慎ながら好きな天敵を応援してしまうんですよ。
ただ、あまりにも数が多いので、物語に収拾付けるの難しいだろうな、なんて思ってます。
ハロゥの魅力
第11勇者にして主人公のハロゥが弱いんですが、そこがまたこの物語の面白さでもあります。
勇者とは力だけの存在でなく、考え方や行動そのもののことなんだな、というのを認識させてくれる漫画でもあります。
最近のなろう系というか異世界系は主人公無双が当たり前みたいなところありますからね。
ただ、そんな弱い勇者ハロゥも、最新刊では、魔王の幹部と対等に渡り合っていて、今後の成長が楽しみでもあります。
異世界の住人たち
13の異世界を召喚したということは、当然ハロゥたちのようなレジスタンスも召喚されてくるんですが、一見強そうで、みんな弱い(笑)
圧倒的に駆逐されます。
「このキャラ応援したいな」なんて思っててもすぐにやられてしまったりします。
登場人物の章で、数名紹介しましたが、数多く紹介できないのはこのためです。
個人的にはもう少し、生き残ってくれる仲間がほしいところです。
面白さと怖さ
とにかく敵同士のバトルロワイヤルが軸にある漫画なんて読んだことがないので、面白いです。
同時に、どの世界の天敵も強力すぎて、つまり話の主人公級すぎて倒されないのが面白くなるのか、順当に淘汰されるのが面白くなるのか、わからない怖さがあります。
つまり、決着つかなそうだし、もう読むのやめようかな、という読者的怖さです。
個人的には、魔勢界(ませいかい)の魔王よりも強い存在がいたほうが面白くなると思ってますが、どうなんでしょうか。
まとめ

ここまで漫画バーサスについて、感想を含め、あらすじ、登場人物、背景について解説してきました。
今読んでいる漫画の中でも、続きが知りたい漫画のトップ5に入る面白さです。
さすがONE先生の漫画です。
モブサイコ100は漫画もアニメも大好きだったので、気になっていたのですが、読んでみて大正解でした。
この記事を読んで、面白そう!と思った方は、ぜひ手にとって読んでみてください。
きっと奇想天外なストーリーを気に入ってもらえる作品だと思います。

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