今回は、機動戦士ガンダム ラストホライズンの3巻から4巻まで紹介していきます。
ラストホライズンは、2022年の5月号から「グランドジャンプむちゃ」に掲載されている作品で、コミックは現在第4巻まで発売されています。
作者は寺田ケンイチ先生ですが、原案に富野由悠季(とみのよしゆき)先生も関わっているため、期待を裏切らない作品に仕上がっています。
ストーリーは、いわゆる1年戦争のサイドストーリーに当たり、ガンダム好きにはたまらない作品。
本作の魅力は以下のとおり。
- 作戦の考案や潜入任務など、ロボットアクション以外もちゃんと面白い
- 絶対的なエース機体がなく、よりリアルな戦闘シーンを楽しめる
- ラブロマンスもあり、大人が楽しめる作品
- ファーストガンダムを知っていればより楽しめる
- 機体(モビルスーツ)好きにはたまらない
作者や脚本、1-2巻のあらすじなどは下記の記事を参考にしてください。

それでは早速紹介していきます。

キャラクター紹介

まずは登場するキャラクターたちの紹介です。
3-4巻で登場する人物を中心に紹介していきます。
連邦軍
本作主人公。31歳、中佐であり、小隊の隊長。民間時代は、商社に勤務。そのため交渉事は得意。レビル将軍の姪と結婚して娘が一人。妻の詳細は今のところ不明。基本的に運動や操縦系は苦手。パイロット適性も診断では”D”とかなり低い。そして酒は飲めない。

話が進めば進むほど、ビジネスマン色が強くなってきました。その分、隊員たち戦闘員の活躍がすごく引き立ちます。
マッカラン基地司令官。レオを高く評価している。
陸戦型ジムのパイロット。最初の作戦時から主人公レオを信頼している。よき相談相手。
陸戦型ジムのパイロット。身分を隠して登場したレオのやり方を気に入っていない。
61式戦車の操縦士。色黒で渋めのキャラ。作戦には従順。
61式戦車の砲手担当。砲撃手としての腕もいい。



1巻では、冒頭のストーリーテラーを務めるほどのキャラだったのに、3巻では影が薄くてちょっと残念。
連邦軍マッカラン基地の副司令。新しく着任したレオをライバル視している。
マッカラン基地の医務官。美貌の持ち主。レオと極秘任務を遂行する。



安定の美しさでマドンナ感あります。レオとの関係はいつまで引っ張るんでしょうか。
コードネーム”RUST”の女性パイロット。ジオン軍兵士。軍事アカデミー第一期生でトップの成績で卒業。



レミアは、主人公級のキャラですね。5巻以降、レオとどう絡んでくるのか、楽しみです。
フラグスタッフステーション工兵部隊隊長。大柄な女性で、レオよりも背が高い。
ジャブローと北米戦線をつなぐ補給路線の貨物基地を防衛することが任務。
ジオン軍
ジオン公国公王。一年戦争時の年齢62歳。身長170cm。
ガルマの恋人イセリナの友人レミアと面談したいと考えている。



ギデン公、ついに登場しました!やっぱり末っ子のガルマを愛していた感が溢れ出てます。
ザビ家親衛隊。沈着冷静だが、指導はかなりスパルタ。作戦左の目尻から口元にかけて大きな傷がある。
グフ飛行試験型に搭乗。
口は悪いが、仲間想い。窮地に追い込まれたレミアを2度も助けるが…
民間人
元ニューヤーク市長の娘。ガルマの恋人だった。レミアの友人。
すでに死亡しているが、秘密が隠されている。
ザビ家の宝を知る人物。ジオン軍から身を隠している。
元ニューヤーク市長。連邦に亡命を希望している。
イセリナの父。
デイナ エッシェンバッハのもとでサポートする雇われエージェント。カリフォルニア工科大学に在籍しており、精密機器全般に強い。夢はフォン・ブラウン(月)に行くこと。



今回の立役者。デイナが、月に行くところが見たいです。
3-4巻で登場するモビルスーツ


1,2巻のモビルスーツもムネアツでしたが、今回もかなり懐かしい機体が登場してうれしくなりました。
グフ飛行試験型なんて、昔プラモデルで作った以来です。
ジオン軍
いわゆるザク。宇宙用F型の装備を削ぎ落とし、陸戦用に改良した一番メジャーなモデル。
脚部へのロケットエンジン取付、腰部背面への補助ブースターなど、飛行を目的にした試作機。
大幅な移動速度の向上を目指して4体試作されたが、結果的にドダイとドムに移行する。
実際に飛べるのは1分未満。ホバー移動がメインで水上移動も可能。
YS11 ドダイYS
ジオン軍の要撃爆撃機。モビルスーツを載せて飛行移動が可能。
機体前面に8連装ミサイル・ランチャーを装備するが、戦闘能力はほとんどない。
地上において輸送機なしでも拠点移動できることを目的に開発された機体。
飛行はできないが、地上を高速でホバー移動できる。



ガンダムのような、チート兵器が存在しない作中のドムは、かなりの威圧感がありました。
連邦軍
地球連邦軍の戦闘ポッド。宇宙用のボールを水中用に改修した機体。
RX-77 ガンキャノン
連邦軍のモビルスーツ開発計画「V作戦」で試作された機体。ファーストガンダムでも3機確認されている。動きは鈍いが、ぶ厚い装甲が魅力。
陸戦型ガンダムの生産ラインを流用して作られたモビルスーツ。
多くのパーツが陸戦型ガンダムと共有して作られているため、一般的に認知されているRGM-79ジムよりも高性能。



陸戦型ジムは、ヤラれ機体にもなるし、メイン機体にもなる万能選手。こういう機体が活躍してくれるストーリーは読者を裏切りません。
あらすじ


ここから、3巻4巻のあらすじを解説していきます。
最終の展開については伏せてありますが、あらすじを知りたくない方は、ブラウザバック推奨です。
3巻あらすじ
フラグスタッフステーションの防衛任務の話からスタート。
おびき出された「片ツノ」は、列車砲で沈黙。
レオは「片ツノ」の装甲の薄さを、見破っていた。
敵の救援で「片ツノ」は逃走してしまうが、結果的には、防衛隊が勝利。
成功を祝う雰囲気もつかの間、新たな指令がレオのもとへ。
元ニューヤーク市長エッシェンバッハの亡命を手助けするという極秘任務。
女医のエリザベスと夫婦を装って敵地ハリウッドへ向かうことに。



ハリウッドでのエリザベスさんは、変装姿もキレイです。
4巻あらすじ
亡命を希望するエッシェンバッハはイセリナを故郷につれて帰りたい様子。
しかし、イセリナの遺体は”ザビ家の宝”に関わる重要機密。
レミアは、レオたちと出会ったことで、”ザビ家の宝”のすべてを理解し、親友であったイセリナが望むであろう選択を手助けとなる行動を起こす。
しかし、大きな戦闘がはじまったことで亡命は失敗。
エッシェンバッハはレオに未来を託す。
一方、ジオン側では、レミアが、ある決断を下す。



レミアの行動は、あまり言葉で語られないため、一見わかりにくいです。しっかりストーリーを読み込む必要があります。ぜひ4巻を!
感想


3巻4巻の感想をまとめてみました。
作戦の成功と失敗
3巻-4巻も面白かったです!
2巻の「ラスト・片ツノ」の圧倒的な強さから、一転、レオが弱点をつくところは、面白い展開でした。
今回の話で、うまいなと思ったのは、亡命作戦。主人公レオが用意周到に立てた作戦。
間違いなくうまくいくだろうと思いきや、まさかの失敗。そして次の展開につながるという、このへんはさすがよく考えられてるストーリーだなと思いました。
いつも成功する作戦じゃ、展開がつまらないですからね。
モビルスーツ戦が熱い
今回もモビルスーツ線が熱かった。
海中移動のときには思わず「フィッシュアイだ!」と叫んでしまいました。懐かしすぎます。
そして、一番アツかったのがガンキャノン。
一瞬重装型かと思いましたが、肩の形状をみる限り、どうやらノーマルのガンキャノン。
装甲の厚さを利用した格闘戦とか、楽しすぎます。
陸戦型ジムとドムの対決が早くみたいです。
レミアの行動が予測不能
レミアというキャラの行動が読めません!
とてもいい子なんですが、ことイセリナのこととなると感情的な行動に出てしまいます。
「え!なんで?」みたいな事件を起こしてしまいます。
まあそうでなくては、物語は大きく動かないので、脚本としては正解なんでしょうが、リリアに共感できるかというと、今のところ、かなり怪しいです。
キーパーソンとはいえ、主人公ではないので、こういう扱いなのでしょう。
少年誌なら、レオより確実にリリアが主人公なんでしょうけど。
今後も展開を広げてくれそうなキャラです。
感想まとめ
シリアスな潜入作戦にモビルスーツの白兵戦、見どころ満載の3-4巻でした。
見えてきた「ザビ家の宝」、それをとりまく思惑の渦。
一枚岩ではないジオン軍側の内部事情や、影響力のある民間人など、かなりいろんなことがわかってきたストーリー展開でした。
作戦の良し悪しが、戦局を左右する緊張感のある展開が、たまらないですね。
頭脳派で、作戦・交渉事は得意なのに、それ以外は全く何もできない主人公レオと、操縦から潜入まで、マルチにこなすエリザベスとの対比が面白かったです。
早くくっつけばいいのに、なんて思いますが、都合上、引っ張るんでしょうね。
次号以降、レオとザビ家親衛隊「テオ・グラン少佐」との駆け引きが、加熱していきそうです。
イセリナの遺体がどこで、誰にわたるのか、予測不能なレミアはどう出るのか、どちらも今後の見どころだと思います。
考察


月
ずっと陸上戦だった本作ですが、少し宇宙の話もストーリーに絡んできました。
可能性的には、月つまりフォン・ブラウンが舞台となることもありえます。
主人公レオには、月に上がりたいというデイナとの約束を果たす必要があるからです。
一方で、レミアもデギン公に呼ばれているので、宇宙に行く可能性もあるわけです。
もし実現するなら、宇宙での「ラスト」の活躍を見てみたいですね。
そして、月には、フォン・ブラウンと呼ばれる中立都市があり、その中に兵器開発を手掛けるアナハイム社があります。
もしもデイナがアナハイム社で仕事することになれば、モビルスーツの開発風景など、見てみたいです。
話の布石は打たれているので、ありえなくもない話です。
時代背景
この物語は、1年戦争期間中の出来事というのはわかるんですが、果たしていつ頃なのか?と思う読者の方もいるはず。
第1巻のはじまりで、ギレンの演説がありますが、これは明確な日付がわかっています。
宇宙世紀0079年10月6日です。
1年戦争自体は、同年1月3日にはじまり、翌年1月1日に終戦協定が締結されています。
物語は一年戦争の後半の出来事だということになります。
最新刊の4巻でも、まだ10月の上旬あたりではないでしょうか。
別のストーリーですが、「第08MS小隊」と同じ時間軸ですね。
「第08MS小隊」はアニメまたは、小説版で読むことができます。


アムロたちホワイトベースと交わる可能性はあるのか
第08MS小隊は東南アジア、ラストホライズンは北米、本編のアムロたちは日本から中央アジアでの話です。
ラストホライズンは北米での話なので、ホワイトベースと絡むのは現状難しいです。
ただし、翌月11月には、オデッサ作戦という地球連邦の一大作戦が控えています。
もし招集がかかれば、アムロたちホワイトベースと絡む可能性も出てきます。
ぜひ共闘作戦を見てみたいです。
とはいえ、その前に「ザビ家の宝」問題を解決する必要はあるでしょう。
まとめ


ここまで、機動戦士ガンダム「ラストホライズン」3-4巻の解説をしてきました。
1-2巻ではかなり謎だった、ラスト・片ツノのことや、ザビ家の宝のことなど、かなりストーリーの輪郭がみえてきました。
レオの作戦が一度失敗してるので、次挽回できるのか、5巻も楽しくなりそうです。
この記事を読んで機動戦士ガンダム「ラストホライズン」が気になった方は、ぜひ読んでみてください。
おすすめの漫画作品です。




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