さて、今回はアニメ化でも話題になっている「メダリスト」の紹介です。
『メダリスト』は、つるまいかだ先生によるフィギュアスケートを題材とした日本のスポーツ漫画です。
講談社の『月刊アフタヌーン』で2020年から連載されており、2022年には、「次にくるマンガ大賞2022」コミック部門で第1位、「マンガ大賞2022」では第2位という高評価の作品です。
2024年にはじまったアニメも評価が高く、ますます原作の人気が加速しています。
当ブログの管理人も、もちろんお気に入りで、多くの方に読んでもらいたい大好きな漫画トップ5のひとつとなっています。
今回はメダリストのあらすじ解説、感想はもちろん、アニメでどこまで放映されるのか、主人公にはモデルがいるのか、などなど考察も加えていきます。
早速いってみましょう。
作品紹介

作品概要
- 作品名:メダリスト
- 作者:つるまいかだ
- ジャンル:スポーツ漫画
- 掲載:月刊アフタヌーンにて2020年7月号から連載開始
- コミック版:現在12巻
- アニメ化:2025年1月からテレビ朝日系列にて放映
- ノベライズ(小説):講談社KK文庫、1巻は2025年1月17日
ストーリー
フィギュアスケートを夢見る小学5年生の、結束 いのり(ゆいつか いのり)と、夢破れながらもコーチとして再起を目指す、明浦路 司(あけうらじ つかさ)が出会い、二人三脚でトップを目指す物語。
才能を秘めながらもチャンスに恵まれなかった「いのり」が、「司」の指導のもと成長し、競技の世界で挑戦を続けていきます。
アニメ版について
2025年1月からテレビ朝日系列にて放映され、順次、動画配信サービスで視聴可能になっています。
漫画もいいけど、アニメも観たい!という方のために情報を整理してみました。
配信先:
- ディズニープラス:2025年1月4日より毎週土曜26:00~(最速配信)
- ABEMA:2025年1月9日より毎週木曜26:00~
- Netflix:2025年1月9日より毎週木曜26:00~
- Amazon Prime Video:2025年1月9日より毎週木曜26:00~
- U-NEXT:2025年1月9日以降
- DMM TV:2025年1月9日以降
制作:
- 原作:つるまいかだ
- 監督:山本靖貴
- シリーズ構成・脚本:花田十輝
- キャラクターデザイン:亀山千夏
- 総作画監督:亀山千夏 伊藤陽祐
- フィギュアスケート振付:鈴木明子
- フィギュアスケート監督・3DCGディレクター:こうじ
- 3DCGビジュアルディレクター:戸田貴之
- 3DCGアニメーションスーパーバイザー:堀正太郎
- 3DCGプロデューサー:飯島哲
- 色彩設計:山上愛子
- 美術監督:中尾陽子
- 美術設定:比留間崇 小野寺里恵
- 撮影監督:米屋真一
- 編集:長坂智樹
- 音楽:林ゆうき
- 音響監督:今泉雄一
- 音響効果:小山健二
- アニメーションプロデューサー:神戸幸輝
- アニメーション制作:ENGI
ボイスキャスト(CV):
- 結束いのり(ゆいつか いのり):春瀬なつみ
- 明浦路司(あけうらじ つかさ):大塚剛央
- 狼嵜光(かみさき ひかる):市ノ瀬加那
- 夜鷹純(よだか じゅん):内田雄馬
- 鴗鳥理凰(そにどり りおう):小市眞琴
- 鴗鳥慎一郎(そにどり しんいちろう):坂泰斗
- 三家田涼佳(みけた りょうか):木野日菜
- 那智鞠緒(なち まりお):戸田めぐみ
- 大和絵馬(やまと えま):小岩井ことり
- 蛇崩遊大(じゃくずれ ゆうだい):三宅貴大
- 結束のぞみ(ゆいつか のぞみ):小清水亜美

結束いのり役の春瀬なつみさんの起用は、つるまいかだ先生の希望が実現した形。先生は、2015年のアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」の龍崎薫のCV:春瀬なつみさんに惹かれファンになりました。アニメ化して、春瀬なつみさんを起用できるような作品を作りたいと、「メダリスト」を書きはじめたとのこと。スゴいつながりです。
登場人物


メダリストはとにかく登場人物が多いため、抜粋して紹介します。
ルクス東山FSC
本作の主人公で、小学5年生の少女。フィギュアスケートでオリンピックの金メダルを目指しています。幼少期からスケートに憧れていましたが、家庭の事情で始めるのが遅れました。しかし、強い情熱と努力で才能を開花させ、急速に実力を伸ばしています。



つるまいかだ先生が描く、大事な場面での「いのりちゃん」の表情に感動します。この作品に引き込まれる神要素のひとつです。
いのりのコーチで、元アイスダンス選手。もうひとりの主人公。自身の競技者としての夢は叶いませんでしたが、いのりの才能を見出し、彼女をトップスケーターに育てることを決意します。情熱的で献身的な指導者です。



いのりちゃんも最高なんですが、ともに成長する司の姿が、大人の読者には刺さるんですよね。
ルクス東山FSCの主宰者で、司のアイスダンス時代の元パートナー。司にコーチとしての道を勧め、いのりとの出会いのきっかけを作りました。クラブの運営と選手の育成に尽力しています。
ルクス東山FSC所属の小学4年生で、バッジテスト3級合格者。理凰とは友達。
中学2年生で、バッジテスト4級合格者。クラブでは年長者でまとめ役。
名港ウィンドFSC
いのりのライバルで、同世代のフィギュアスケート選手(初期は格が違いすぎてライバルでもありません)。事実上ジュニアのトップオブトップ。幼少期からスケートを始め、天才的な才能と努力で数々の大会で優勝。冷静でストイックな性格ですが、内に強い闘志を秘めています。



山は高ければ高いほど、ライバルは強ければ強いほど、盛り上がります!
オリンピック金メダリストの元フィギュアスケート選手。ひかるのコーチ。20歳で引退するまですべての大会で金メダルを獲得。無口ですが、自分自身とひかるの才能を疑わない人物。
オリンピック銀メダリストの元フィギュアスケート選手で、現役時代は夜鷹 純(よだか じゅん)のライバル選手でした。理凰の父。



見た目と経歴に反して、ものすごく腰の低い人なんです。
父にオリンピック銀メダリスト、母にアメリカ代表のエイヴァ・F・ロドリゲスを持つ、フィギュアスケート界のサラブレッド。しかし、成功して当たり前と思う世間からの重圧に苦しんで伸び悩みます。司の指導を受けることになり、当初助言を跳ね除けますが、物語が進み、信頼する先生と認めるようになります。
グラビティ桜通FSC
小学3年生ながら、大人を見返したい一心で、スケートを続ける少女。身長は133cm。口はかなり悪いですが、喧嘩の後、いのりに懐いています。
せいらが唯一信頼するヘッドコーチ。いつもせいらと騒がしくしている。
その他の登場人物
いのりの母。当初、有望だった姉が骨折により競技を断念したこともあり、いのりのスケートには反対していました。しかし、みのりのスケートに懸ける思いを知り、徐々に応援していく姿が描かれます。



主人公が小学生ということもあり、どうしても親目線で見てしまいがち。管理人的には、なにげに、母のぞみさんを一番応援してるかも(笑)
いのりのお姉さん。5歳からフィギュアスケートをはじめたが、ジャンプ練習中に骨折し競技を断念。
いのりがフィギュアスケートに憧れたのは、みかの影響。当初は、カナダに留学しています。
スケートリンクの受付スタッフで、いのりがスケートを始めるきっかけを作った人物。
いのりがクラブに所属していなかった当初、大好きな小鳥の餌であるミミズと引き換えにスケートリンクへの入場を許可していました。
いのりがメダリストを目指すようになってからもリンクサイドで応援しています。



この人がいなければ、いのりちゃんの活躍はなかったわけで、そう考えると一番の功労者かも。
あらすじと解説


第1巻-2巻
夢を諦めた元アイスダンスの選手、明浦路 司(あけうらじ つかさ)が、食べていくためにSFC(フィギュアスケートクラブ)のアシスタントコーチを始めるところから物語がスタートします。
裏口から入場してくる結束 いのり(ゆいつか いのり)を見つけて、正しいリンクへの向き合い方を指導します。
いのりのスケートに掛ける情熱を知った司は、いのりの母を説得し、スケートをはじめることを了承してもらいます。



作中、初めて氷の上に飛び出た瞬間のみのりの描写に注目です!
全日本選手権に出場できる選手にすると豪語した司は、バッジテストをみのりにすすめます。
そのバッジテストの会場で、最大のライバル狼嵜 光(かみざき ひかる)と出会い、オリンピックに出ることを目標に掲げることになります。
その後、地元の大会「名港杯」の最下級枠に出場し、見事、三家田 涼佳 (みけた りょうか)を下し、優勝します。
司といのりは、ひかるのコーチ夜鷹純と出会いますが…
第3巻-4巻
順当に成長をつづけるみのりは、西日本小中学生大会に出場することになります。
しかし、移動中スケート靴を忘れてしまい大変なことになります。
果たして無事に競技で滑ることはできるのか!?
西日本西日本小中学生大会を2位で終えたみのりは、さらなる練習を積み、1年間でバッジテストの5級合格まで上り詰めます。
5級を超え、全日本ノービスAに出場するためには、6級に上がるための難関ダブルアクセルの習得が不可欠。



ここまでくるとかなり、目指すところが見えてきます。ノービスAは6級以上11歳12歳のクラスで、次に目指すのは13歳からの全日本ジュニア選手権。最終的に15歳以上になると、大人と戦うシニアクラスつまり全日本選手権(7級以上)。
司のもとに、鴗鳥 理凰(そにどり りおう)がやってきます。
素質はありますが、伸び悩んでしまい、環境を変えるためルクス東山FSCへ。
いのりと言い合うなかで、理凰はわだかまりが溶けていきます。
司と理鶯が打ち解け合う頃、いのりは、ひかると戦うため、6級の試験にのぞみます。
第5巻-6巻
全日本ノービス出場選手の5枠を賭けて、中部ブロック大会へ出場。
そこで、前回のオリンピックに出場した特別強化選手 鯱城理衣奈(こじょうりいな)と出会い、言葉をかわす。
オリンピック出場を賭けた戦いは、この大会からすでにはじまっているということを痛感するいのりでした。
そして迎えた本番!



滑走直前に、司がいのりを送り出す言葉が、刺さります。そして答えるいのりちゃん。最高の場面です!
司には秘策がありました。
あるジャンプの成功率が、100%だったんです。
そして奇跡の滑りを見せてくれます。



かなり見応えのあるシーン。見向きもしなかったいのりちゃんに徐々に注目が集まる雰囲気がたまりません。
その夜、司は何故かスケートリンクに立つことになります。
第7巻-8巻
中部ブロック大会での勝者に与えられる特権。これこそが優勝した目的。
選ばれた選手のための特別練習がはじまります。
新潟までのドライブ中のいのりちゃんの言葉が、司を勇気づけてくれます。
ついにはじまった必殺ジャンプの習得レッスンですが、いのりはなんとか着氷までこぎつけます。
一方で司は競技での必殺ジャンプの組み込みに悩みます。
ひかるのコーチ、夜鷹はその噂を聞きつけて次の手を打ちます。
ついにはじまった、全日本ノービスAでのひかるとの戦い。



ここまでの道のりは長かった!開会式は読者としても緊張しました。
練習では、いのりが注目を集めますが、本番は先に滑ったひかるが氷上を支配します。
それでも士気を落とさない「いのり」。


第9巻-10巻
いのりの打倒ひかるに向けた滑走がはじまります。



成功と失敗そして前を向く勇気。いのりちゃんの演技が激アツです!
大会後、またゼロからのスタートです。
表彰台にいのりが上がれなかったことを、ひかるに責められる司。
司は、いのりをジュニアで活躍できる選手にするため、いのりのもとを一時離れる決意をします。
10巻第37話からジュニア編へ突入です!
中学生になりジュニアへと戦いの場は移ります。
ノービスAで表彰台を逃し、ゼロからのスタートだと思いきや、まさかの…



いやー良い展開です。4回転飛べるのに、何もないわけがないでしょう!と思ってました(笑)うれしいです!
司は、いのりの元を離れますが、練習は続きます。
そしていのりの元へジュニアグランプリ選考会のお知らせが届きます。
ジュニア選抜メンバー合宿では、いのりの姉をディスる岡崎いるかに出会います。
最初は、相変わらずのやり取りでしたが、時間をかけて、あいだが縮まっていきます。
いのりと同じく司は、この合宿で自分の成長を模索します。
そんな中、ひかるはいのりにインタビューの練習として、質問をぶつけてきます。
次第にいのりの中にいる「何か」に気づき…



インタビュー中のいのりちゃんのピリピリ感がヤバいです
第11巻-12巻
ジュニアグランプリ第1戦バンコク
いのりも最高の滑りを観せますが、いるかは段違い。
試合の後、プールでいるかを見かけ、駆け寄ります。そして、いのりといるかの距離は急接近。



いるか姉さん、めちゃくちゃいい奴なんです!
グランプリでのメダルを掲げていたものの、いのりの結果は4位。
しかし、いのりを2年でここまで育てた実力を買われ、司に移籍の話が持ちかけられます。
ひかるは、東京のクラブに移籍することになります。
理凰に別れを告げ、同時に昔の自分に決別します。
そして、いのりと再び戦う全日本ジュニアグランプリファイナルに焦点を合わせます。
ひかるは順当にノービスAを4連覇。
いのりは次のジュニアグランプリを4回転サルコウを着氷し、見事初優勝。
ふたりの対決がはじまります。
1番滑走のひかるは最後のジャンプでミス、いるかは練習で起き上がれない事態に。
いるかは去り際に、立ち尽くすいのりにサインを送ります。



ジュニアなのに、すでにオリンピックを見据えたかのような熱い戦い!そして、いるか姉さんが、かっこよすぎる。
感想


メダリストという漫画、なんで今まで見なかったんだろう?って思えるくらいスゴい作品です。
競技中の動きの描写はもちろん、白熱するストーリー展開など、見どころ満載です。
いのりの表情
この漫画で一番感動したのは、キャラの表情、特に大事な場面での「いのり」の顔の描写は圧倒されます。
めちゃくちゃ強い作画で、心を鷲掴みにされます。
るまいかだ先生の描く、少女の顔は強さもやさしさも表現されていて、流石だなと思ってしまいます。
競技前の司と交わす際の、アップで描かれるキリッとした表情なんてもう最高の一言。
「何かをやってくれる」と感じずにはいられません。
国際試合第2試合を見たかった
作中、ジュニアグランプリ国際試合の第2戦でいのりは優勝するのですが、結果しか描かれてません。
先を焦らず、描いてほしかったなーなんて思っちゃいました。
確かに通過点なんですが、せっかくの優勝シーン見たかったと思うのが読者心です。
いるか姉さん
ノービスAの開会式で、いのりに嫌味な言動をあれほど吐き捨てていたいるかさんが、最終的にはいのりのお姉さんのような存在に変わります。
最初の評価が低いヒールなやつほど、打ちとけた後の好感度は爆増します。
つまり、個人的にいるか姉さんが大好きなんですよ。
展開は、いのりとひかるの一騎打ちなんでしょうが、もっとスポットを当てて欲しい人物です。
帰ってきてー!
それぞれのストーリー
別に「いのり」だけがオリンピックに掛ける想いが強いわけでもなく、選手それぞれに秘めた想いがあります。
それは、「いのり」が上位のステージに上がれば上がるほど顕著に現れます。
そんな選手一人ひとりのストーリーを丁寧に観せてくれるところも感情移入できるポイント。
ですが同時に、それだけ「いのり」の特別さがなくなっていことでもあります。
巻が進むにつれ、競技は肉薄し、才能は拮抗(きっこう)します。
そんな中で、いかにいのりを目立たせるか、ジャパンジュニアグランプリより先の描き方が楽しみです。
考察


アニメは何巻まで?
アニメ版は、漫画のストリーを忠実に再現していて、主な出来事は描かれていくことにあると思います。
最新話の5話では、名港杯の初級クラスでの競技が描かれています。
コミックでいえば2巻にあたります。
1期が13話として、中部ブロック大会が描かれる6巻までになるんじゃないでしょうか。
現在12巻なので、注目度が上がれば2期までのストックは十分あります。
2期、是非お願いしたいですね!
いのりのオリンピック出場は?
これは、作品の題名にもなっているので、出場は確定でしょう。
前大会メダリストからオリンピックに出場には特別な切符があると言われてます。
それがオリンピックの年に優勝すること。
いのりが20歳のときです。つまり中学生である「いのり」に残された時間はあと5年。
紆余曲折あり、最終的に日本グランプリで優勝するのがオリンピクの開催される年になるだろうと予測します。
もちろんそれまでに成績を残して活躍してれば、日本グランプリで優勝しなくてもいいのですが、ストーリー的には、ギリギリまでひかるに打ちのめされ、有終の美を飾ったほうが盛り上がりそうです。
漫画が、今後評価されれば、2回目のオリンピックもありえますよね。
モデルになった人はだれ?
モデルになった方はいないのではないでしょうか?
ただ、モデルとなった場所は存在します。
それが名古屋スポーツセンター。
- アルベールビル五輪銀メダリスト 伊藤みどり
- バンクーバー五輪銀メダリスト 浅田真央
- ソチ五輪出場 村上佳菜子
- 平昌五輪銀メダリスト 宇野昌磨
数々の有名選手を排出しています。
実際取材にもいかれているようです。つるまいかだ先生はまったくの初心者だとか。
ただし、監修を務める、高橋裕美さんは、アイスダンス日本選手権出場の実績を持つ、現在セント星ヶ丘FSCのインストラクターの方です。(メダリスト公式Xのポストにて確認)
アイスダンス経験者で、インストラクターとはまさに本物。
セント星ヶ丘FSCについても、いのりが所属するルクス東山FSCの参考にされているのでは?と思います。
スケートのメッカ「名古屋スポーツセンター」、お近くの方は、聖地巡礼にいってみても良いのではないでしょうか?
まとめ


ここまで、漫画『メダリスト』のあらすじ解説、考察そして感想を書いてきました。
過去のコミックを読み返しながら書いたのですが、改めて競技中のリアルな描写、そしていのりの表情、最高ですね。
この記事を読んで、メダリストが好きなってくれたらうれしいです。
ぜひ、本編を読んでください!感動間違いなしのスポーツ漫画です。


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